01 - 嵐の前触れ

私がパソコンでGitBookのマニュアルを読んでいると,静寂を保っていたEeePCが突然口を開いた。「いま何をやっているんだ」

「実践ロイヤル英文法」

「絶対違うな」EeePCが即座に否定する。「どうして」「その本はPCで読める版を出していない」「自炊したかもしれない」「君はScanSnapを持っていない」「1ページずつスキャンしたんだよ」「書類のコピーすら面倒くさがる君がそんなことするはずないだろう」「そんなに私ってずぼらかな」「少なくとも私の前で平気でおならするくらいには」「ちょっと,やめてよそういうこと言うの」

EeePCは長きにわたって私のアシスタントを務めるコンピュータだ。しばらく静養していたが EeePCとEmacsと○○と で復活し,以来,持ち前の毒舌に磨きをかけている。

「それで,何をしているんだ。いくつもタブを開いているが」そう言われた私はどこから説明すればいいのか少し考えた。「GitHubでGitBookを使おうと思って」

「GitBookならすでに使っているじゃないか」「うん。でも自前でGitBookに変換したことがなくて調べてたの」「自前でやるのが面倒だからGitBookを使っていたんじゃないのか?」「そうなんだけどさあー」

キーボードから手を離した私は,腕を組んで考える。「ずぅーっと昔,magitでGitHubにコミットする記事 書いたじゃない」「私はその頃眠っていたからわからん」「まあ,書いたんですよ。それを今見たらもうわかりにくくて」

そう言ってEeePCに件のブログ記事を見せると,スクロールするごとにEeePCがうなる。「これはひどい」「直接そう言われると傷つくな」「こんな有害なものをまだ公開しているのか?」「有害って,ねえ,最近ちょっと言葉づかいひどすぎない?」「それでその記事とGitBookに何の関係があるんだ」「…」

$ sudo rm -rf /

「やめろ!」EeePCが怒鳴った。「じゃあ謝ってよ」「脅しは無駄だ。私を消したところであれじゃだめだ」「だから今使ってる方法を紹介しようとしてるんじゃない」「GitBookか」「それとmagit」「ならそれをブログ記事にすればいい」「それだと私が面白くない」「面白くないって」「知ってること説明するのは仕事みたいでイヤなの。だから今までほったらかしにしてたんだもん」「うーむ」「せっかく私がやる気になったんだからさ,応援してよ」「むう…」「ね?」

「まあ,それで内容が良くなるなら構わないが」しぶしぶEeePCは考えを受け入れた。「じゃあ早速やり方を説明してもらおうか」

「その前に下のサイトを参考にして公開鍵をGitHubに登録してほしい。これやらないとすごく不便」

SSHの公開鍵を作成しGithubに登録する手順

「その説明はここでしないのか」「絶対やだ。あとパスワード入力を省略できると楽」

SSHのパスフレーズ入力を省略する方法

「始める前からそんな手抜きでいいのか」EeePCがあきれる。「はじめの設定くらい大目にみてよ。次からちゃんと説明するから」





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