03 - 四種の神器
「これでもう必要なツールは揃ったのか?」EeePCが聞いてきた。「うん。あとはGitHubの仕様にあわせてファイルを作れば公開できる」「じゃあその方法を説明してもらおうか」
私はdiredでリポジトリを開いた。
「前にcloneしたときと場所が違うぞ」EeePCは目ざとい。「すみません。私が普段作業してるフォルダに移しました」「今度から言われずとも説明するように」「はい」「混乱のもとになるからな」「はい」「聞いているのか?」「はい」「私に動画デコーダを取りつけてくれるそうだな」「そんな予定はありません」「…」
EeePCは気をとりなおして画面を確認する。「ふむ…いくつかファイルが増えているな。前はREADMEだけだったが」「アイテムが4つ増えてるでしょ」「うむ」「ひとつずつ説明していくね」
.gitignore
「これは飛ばしてもいいでしょ」「一応説明してもらおうか」「Gitに無視してほしいファイルをここに書く」「たとえば?」「秘密の日記とか」「そんなの書いているのか?」「書かないの?」「さあな」「中身はこんな感じ」
node_modules
_book
.nojekyll
「これを入れないとGitHubがJekyllを読みこんじゃう」「Jekyllとはなんだ」「ブログツールみたいなものかな」「中身がカラだがいいのか?」「うん。.nojekyllって名前のファイルだけあればOK」
articleフォルダとdocsフォルダ
「articleには原稿を入れてね」「docsは?」「原稿をGitBookにしたもの。GitBookが勝手に作ってくれる」「じゃあdocsは作らなくてもいいのか?」「ううん。初回に空のフォルダだけ作っておいて」「ふむ」
「あ,ひとつ補足なんだけど」「なんだ」「articleの名前は何でもいいよ。srcとか」「じゃあ何でarticleなんだ?」「TeXの名残りです」「特に意味はないんだな」「ねえ,人の話聞いてる?」
EeePCはarticleの中身を見て,そこにもREADMEがあることに気づいた。
README.md
SUMMARY.md
「おい,articleの中にもREADMEがあるぞ」「そう。そっちのREADMEが表紙になる」「上のフォルダにあるREADMEとは違うのか?」「一緒でもいいよ。SUMMARYは目次。書き方はこんな感じ」
https://toolchain.gitbook.com/pages.html
* [GitBookでGitHubと遊ぶ](README.md)
- [01 - 嵐の前触れ](01.md)
- [02 - Love と Happy](02.md)
いざ gitbook build
「それじゃあgitbookでビルドしてみようか」私はそう言ってターミナルを起動する。「マウスで気軽に操作,というわけにはいかないのか」「GitBook Editor とか?」「それだ」「君のスペックじゃ無理かな」「…」「ほら,落ち込まないの。ビルドするよ」
$ gitbook build article docs
「これで完成か?」「速いでしょ」「うむ」「docsフォルダにできあがったファイルがあるから,フォルダごとGitHubにアップロードすれば準備完了でござる」「それでもう見れるのでござるか?」「あと一手間ござる」「さようでござるか」「…」「なに顔を赤くしている。私が調子に乗っているとそんなに面白いのか」
私がリポジトリのsettingタブをスクロールすると,GitHub Pagesの項目が見つかった。「これを真ん中のdocsフォルダにしてSaveすればおしまい」「さっきフォルダの名前をdocsにしていたのはこれが理由か」「そうそう」「これは毎回設定する必要はないんだな?」「うん。初回だけ」
「それでできあがったページはどこで見れるんだ?」「いま君が見ているのがそのページだよ」「おお」
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