02 - Love と Happy
「それじゃあリポジトリを作ろうか」私はブラウザにマウスを向ける。「うむ」
「できたよ。次はnpmを…」「ちょっと待て」EeePCがあわてて止める。「なに」「そこは省略したらだめだろう」「どうして」「結果だけ伝えるのは説明じゃないからだ」「そうかな」「そうだ。ちゃんと説明するって言ったんだからな」
私は両手で頭を覆い,苦悶のうめき声をあげる。「なんだ」「め,めんどうくさい…」「まだ始まったばかりだろう。ほら,がんばれ」「君はそうやってダメ出しするだけだから楽だろうけどさぁ」「そんなにGitBookは面倒なのか?」私は顔を振る。「説明の画像作るのが面倒なの」「それじゃあ動画で説明すればいい」「君のスペックじゃ無理でしょ」「それもそうだ」
「おい」またもEeePCが止める。「少しは話せ」「えぇー」「えぇーじゃないだろう」「だって写真あったら説明文なんて誰も読まないでしょ」「読まないのか?」「読まないよ」「そうか」「うん」「でも話さなきゃだめだ」「チッ…」「おい」「」「おい,今舌打ちしただろう」「してません」「はっきりと聞こえたぞ。はぁ,まったく,先が思いやられる」「ほんと困ったもんです」「お前に言ってるんだよ」
「こんなもんかな」「うむ」私は内容を確認すると "Create repository" をクリックした。Gitbook-Guideという名のリポジトリが作成される。
「それじゃあこれを自分のパソコンにcloneしようか」私はemacsで次のコマンドを打った。
M-x term
「M-x shellじゃないのか?」EeePCが聞く。「shellだとパスワードが丸見えになる」「oh…」
git clone git@github.com:jamcha-aa/Gitbook-Guide.git
cloneが済んだ私は次のWebページを開いた。
GitHub Pages + GitBook + KaTeXで数式があるドキュメントをいい感じに作る方法
「あとはこの通りにすれば作れる」そう言って私はひと仕事終えたように伸びをした。
「待て。そんな手抜きは許さん」「だってわかりやすいんだもん」「それはそうかもしれないが,『気づき』を残すことが重要なんだ。わかるな?」「…」「ほら,手を動かす」
EeePCに急かされるままに私はターミナルでnpmのインストールを始める。
$ sudo apt install npm
「aptのnpmは古くなりがちだが」EeePCが釘をさす。「私に必要なのは新しさじゃなくて動くかどうかなんだけど」「今は動くかもしれないが,開発が活発なツールを使うならnpmを更新する方法くらいは知っておいたほうがいい」
とりあえず Ubuntu で新しい Node.js, npm をインストール
続けて私はGitBookのインストールに入った。
$ sudo npm install -g gitbook-cli
「ところでどうしてGitBookなんだ?」EeePCが聞く。
「うーん…」私は考え込む。「最初に目にとまったとか,GitBook.comがGitHubと連携できたとか,いろいろあるけど…」「けど,何だ」「今はトップページにloveとかユーザーをhappyにしようとか書いてあるのがかっこいいからかな」「そ,そうか…」
「不安になるとついつい忘れがちになっちゃうんだけど,でも忘れちゃいけないことだと思う。だからそれを思い出させてくれるGitBookが好き」
「そうだな」EeePCはつぶやくように言った。「スポーツの勝敗で一喜一憂するような君の場合は特に大切だ」「ちょっと,せっかくいいこと言ったのに」「君が観戦中にどれほどひどいことを言っているか」「はい!インストール終わりました!スイッチ切りまーす続きはこんど!」
(c) 2018 jamcha (jamcha.aa@gmail.com).