Docusaurus の逆襲

Docusaurus の逆襲

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    • 01 - Docusaurus が攻めてきた!
    • 02 - インストールはできるけど
    • 03 - Slash の謎
    • 04 - docs の書式と website
    • 05 - 決戦! "index.js"
    • 06 - 刮目せよ! 〜"index.js" を読む〜
    • 07 - sidebars.json
    • 08 - siteConfig.js
    • 09 - もう読める
    • 10 - 再構築

    08 - siteConfig.js

    「 siteConfig.js で気をつけなきゃいけないのは baseUrl で…」

        「サイとコンフィグ.ジェースで気をつけなきゃいけないのは ベース URL で…」
    

    「…」カタカタカタ…。

    「 siteConfig.js で気をつけなきゃいけないのは baseUrl で…」


    「なあ,いったん全部テキストに起こしてから編集したほうがよくないか?」EeePC が指摘する。

    腱鞘炎で片手が使えなくなった私は,音声認識を利用して文章を作成する。だがアルファベットの多い言葉だと,どうしても誤認識が増える。不満な私は途中で止めてついつい直してしまう。

    「こっちの手も使えなくなったら足を使うしかないね」「休むという選択肢はないのか」

    ふと私は ThinkPad に何気なく質問した。「ねえ,音声認識でプログラミングってできるの?」

    ThinkPad はすぐに答える。「検索結果を表示しますか?」「動画があれば見せてほしい」「了解しました」

    画面に表示されたのは,音声プログラミングをする開発者。 を紹介する。その他の動画でも披露される華麗な音声プログラミングに,私は見入ってしまった。

    その映像は,義肢エンジニア ・ Hugh Herr の言葉を思い出させる。

    I reasoned that a human being can never be "broken." Technology is broken. Technology is inadequate. -- Hugh Herr.

    (私は人間が『壊れる』はずがないと考えた。テクノロジーのほうが壊れていて,テクノロジーが足りないのだと)

    可能性に想像が止まらなくなる。

    「…ああ,だめだめ。siteConfig の説明に戻るよ!」

    siteConfig.js

    「 siteConfig.js は index.js で使う情報とか,サイトの URL とか,いろいろ書かなきゃいけない」「複雑なのか?」「書くべき場所は決まってるからそんなに難しくないよ。私の場合はこんなかんじ」


    const siteConfig = {
      title: 'Docusaurus の逆襲' /* title for your website */,
        tagline: 'Docusaurus で GitHub と遊ぶ。',
      url: 'https://jamcha-aa.github.io/Docusaurus-Guide/' /* your website url */,
      baseUrl: '/Docusaurus-Guide/' /* base url for your project */,
    
      // Used for publishing and more
      projectName: 'Docusaurus-Guide',
      organizationName: 'jamcha-aa',
    


    「 title はサイトの名前, tagline はサブタイトルとか」

    「おい」EeePC が説明を止める。「見づらいんだが」

    「そうだね。それで projectName と…」「待て待て。わかってるなら直したらどうだ?Docusaurus にハイライト機能はついてないのか?」

    「ついてるよ。コードブロックの頭に拡張子つければ反映される。こんなふうに書く」

    ```js
    const React = require('react');
    ```
    

    「じゃあどうして使わないんだ」「org-mode から markdown を出力してるから」「じゃあその markdown をなおせばいい」「いちいち?」「いちいち」

    「いち…いち…」

    私は糸のきれた人形のように,ドッ,と床につっぷした。身体を丸め,拳をかたく握りしめながら嗚咽をもらす。

    「い,イヤ…絶対イヤ…」「何も泣くことないだろう。だって,読む人が理解できなきゃ意味ないんだぞ?」「それでも…いい…」「頼む。お願いだ」

    いや…。お願い…誰か…助けて…。org-mode からシンタックスハイライトのついたコードブロックを markdown で出力する方法を教えて…


    「了解しました」

    「!?」

    突然響いてきた声に,私が身体を起こす。

    ThinkPad の輝かしい画面に, org-mode からシンタックスハイライトのついたコードブロックを markdown で出力する方法 が表示されていた。

    私は信じられないといった顔で画面をのぞきこむ。

    #+BEGIN_EXPORT html   
    ```js
    const siteConfig = {
      title: 'Docusaurus の逆襲' /* title for your website */,
    ```
    #+END_EXPORT
    


    そうか。こうすればいいのか。「あ,ありがとう…本当にありがとう…」私の涙は悲しみから喜びに変わった。そうして目尻をぬぐうと,ThinkPad に鼻声でたずねる。


    「いちいち #+BEGIN_EXPORT html って入力するの面倒だからショートカットってない?」


    私にあきれはてる EeePC。それを尻目に ThinkPad は「 <h TAB でブロックが作成されます」と答えた。

    次回につづく。

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