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この章では,ストーリーに進展はない。ゆえに,悪意,憎悪,そういったものを嫌う読者は飛ばしてほしい。
アルジはどうしようもないクソで身勝手で変態だ。存在自体が罪だ。自己中心的な理由で前日まで見ず知らずだった人間を危険に晒し,自分を疑う相手には平気で喧嘩を売る。自分の失態で両腕をもがれたにもかかわらず,捕獲を主張する相手に妄想をぶちまけた挙句,討伐の手伝いまでさせている。このクズを疑ったオヤブンは正しい。そうだ。アルジはこの世界から消えるべきなのだ。
仲間の亡骸を囮にするっていうんですか。そうだ。それで少しでも敵に弾を使わせることができる。俺もこのまま木にくくりつけてくれ。さいごまで戦ってやる。無駄な突撃はよせ。お偉いさんの命令は無視しろ。どうせあいつらは本部から出てこない。それより一人でも多くの敵をやっつけるんだ。リーンがいた穴もやられました。でも三人道連れにしてやりましたよ。勇敢なやつだった。デインとマルが死んだ。どうして?音で起爆する爆弾がしかけられていた。敵から隠れて話しはじめた途端にドカンだ。騎獣車を倒すには誰かが自爆をしかけるしかない。じゃあ俺が行きます。みんな,あとは頼む。偵察はどうでもいいから支援物資はまだかなぁ。あいつら本当に勝つ気があるのか?落とし穴を掘って待機するんですか。いや,落とすんじゃなくて隠れるんだ。騎獣車が上を通ったら,抱えた爆弾を起爆させろ。怪我人は放っておけ。どうせ助からん。こいつは俺の幼なじみなんです。このまま見殺しになんてできない。ではそんな根性なしの貴様はここで死ね。おまえ顔が赤いけど薬は飲んだのか?あれ苦いから捨てちゃいましたよ。なんてこった。停戦だ!停戦しようじゃないか。 (そんなでたらめ信じられるものか。) うまい。だろ?私は借りは返すたちだ。それで犠牲が減るのなら。裏切り者!
違う。私は人の命をおもちゃにするような,目的のための道具として使い捨てるようなやつらとは違う。稚拙な指示のせいで命を落とした人に「残念だった」としか言わないやつとは違う。死に追いやった人を心に留めることはあっても,次の夜には酒をくらい,会話に花を咲かせるやつらとは違う。供養さえすれば,たまに思いを馳せれば,それが罪だと告発されなければ,いくら人の命を奪っても許されると心のどこかで思っているようなやつらとは違う。
「アルジ,くさいな。オヤブンとおなじニオイだ。」違う。
違う。
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